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2018年07月20日

接着アートステンドグラス(建築用住宅ステンドグラス)

接着技法で積層ガラスの立体のお話を書きましたが、平板状で同じ技法で接着したアートガラスがあります。あります、と言っても制作している工房さんはとても少ないと思いますが。

ステンドの鉛線で組んだステンドグラス、こちらの技法が基本形です。分割するデザインと使うガラス種類がそれぞれで、基本は同じ。

ただエッチングガラスでも書きましたが、直線デザインは気を抜くとラインが微妙にずれたりするので、簡単なようで難しいです。各線、直角平行をきっちりしないと美しく見えません。

使う場所や注文された方によっては、従来のステンドグラスの鉛線が重厚すぎる、という意見の場合があります。そのような場合は、鉛線がないアートステンドグラスが適していることが多いです。

下の写真はクリアなガラスを使用していますが、各ガラスを面取り(ベベルド)加工して、光が屈折することで存在感を高めています。

ただし、従来のステンドグラスが鉛線に2ミリほど入り込むガラスの小口部分がすべて見えるので、接着する前の仮組みにはガラス同士が綺麗に並ぶように、手磨きで合わせていかなければならず、手間は非常にかかります。

完成したアートステンドグラスは、スタイリッシュであり、クールです。

ガラスが鋭角なとんがり部分がうまくしないと、手磨き時に欠けますので神経は非常に使います。鋭角なとんがりを「ピン角」とガラス業界では言います。

この技法では使用できるガラスの種類が限られてしまいますが、どのガラスが使用できるかは痛い経験でしかわかりません。

痛い経験はしたくないんですが、ね。